水中モーター用ハウジングの受託造形
事例紹介

東京工業大学 水中ロボットサークル様より下の画像の水中モーター用ハウジングの受託造形をご依頼頂きました。東京工業大学 水中ロボットサークル様では中学生、高校生向けに水中ロボットの製作を題材とした授業を行っているそうです。

教育現場での3Dプリンターの活用事例に興味がわき、取材を申し込んだところ、快くOKをいただきましたので、最終日の授業を見学するためにドルトン東京学園へ訪問してきました。
全6回の授業の中で、配布された2つの水中モーターを動力として、発泡スチロールで船体を製作し、バランス調整等を行い、最終日に走行会を行うという授業ですが、見学に伺ったのは最終日の走行会の日でした。

ドルトン東京学園の教室の様子

授業を実施する教室に到着すると、教育機関で良く目にするFDM方式の3Dプリンターが3台設置されていました(画像左)。
生徒・学生の皆さんは自由奔放ながらも真剣に課題に取り組んでいます。講師を務めるのはは東京工業大学 水中ロボットサークルのメンバーです(画像右)。

3台並べられているFDM方式の3Dプリンタ
授業の様子

授業で製作した水中ロボット

船体は、実績のある形状を踏襲したものから、問題点を改善するうちに形状が洗練されていったもの、ユニークなアイディアを実現したものなど、さまざまです。

過去5回の講義でほとんど完成状態の水中ロボット

全グループの中で唯一、潜水して進むロボット(下画像の左上)。
こちらは試走してみたところバック走行の方が安定することが分かり、進行方向を変えたそうです(下画像の右上)。
他の船体は2つのモーターで進行方向を変えていますが、こちらは動力となる水中モーターは一つしかなく、もう一つのモーターはプロペラ部分を改造して、錘を昇降できるようにしてあります(下画像の下)。

水中ロボットレース

走行会では仮設のプール内を、ブイを回って一往復します。
水中ロボットの操作は思っていたより難しそうで、それぞれのチームの指示や声援が飛び交っていました。
「生徒が今後自主的にものつくりを行っていけるよう,自ら考えてものをつくる経験をさせること」がこの授業の目的とのことでした。

水中モーターの製作

この授業で使用された「水中モーター」は3Dプリンターを使用して製作されています。
このようなプラスチック製品を1個から製作できるのは3Dプリンターの強みですね。
モーターハウジングはこれまでFDM方式で造形されていたそうですが、造形精度や水漏れ、意匠面など、いくつかの課題を解決するべく、弊社の受託造形サービスをご利用いただき、光造形方式による造形を行うことになりました。

要求される性能はいくつかあります。

  1. ハウジングにはDCモーターを挿入するのですが、モーターの端子側には防水のためにOリングが取り付けられるため、表面の平滑さが求められます。
  2. ラフな使用に耐えられるよう、靭性が必要です。
  3. 屋外や水中で使用するため、対候性や耐水性などについても検討が必要です。
  4. 内部のモーターが見えたほうがかっこいいので、透明性も欲しいとのこと。

材料検討の中で課題となったのは3番目の対候性や耐水性です。
光造形方式であれば高い気密性をもつ造形物を簡単に得られますが、水中での使用について焦点を当てた材料は一般的ではないと思います。
また、光造形方式の材料はUVで重合反応が起こる樹脂であるため、通常の樹脂にも増して、屋外の使用には長期的な試験が必要になります。
まずはいくつかの材料を提案して、性能やコスト等をご検討いただき、PPlikeレジンを使用することになりました。
実際にモーターを取り付けてみたところ、寸法等も問題なく使用できそうとのことです。

絶妙な柔らかさをもつPPlikeレジン
モーターにモーターハウジングを取り付けた様子

PPlikeレジンの簡易的な試験

弊社で実施した試験は、対候性と耐水性です。両試験ともに、簡易的に行いました。
対候性については社内でUV照射装置を使用して長時間露光させ、靭性が保たれることを確かめました。
また、耐水性については、造形物を長時間水に沈めて簡易的な吸水試験を行いました。

対候試験の様子
耐水試験の様子

より良い活用ができるよう、実使用における対候性、耐水性について東京工業大学 水中ロボットサークル様と情報を共有していきます。
今回の事例のように、小ロットの部品生産や、製造手段にまつわる設計上の注意点等をほとんど意識せずに設計可能であること等、教育現場と3Dプリンターの親和性は高いと考えています。

最近は、教育の場で利用しやすいように、有害物質を一切含まないレジン(NON-TOXIC)や、後処理時に揮発性の溶剤を使用する必要がないレジン(Water Washableレジン)のほか、溶剤の代わりとなる非揮発性洗浄剤(Magic Wash)も開発されています。
生徒・学生の自由な発想に応えるために、安全で自由な製造ができる3Dプリンターの導入を是非ご検討ください!

また、弊社では特殊な材料での造形や、フィラーなどを混ぜて造形するなど、実験的な内容を含む造形も実績がございますので是非ともご相談ください!


東京工業大学 ロボット技術研究科 アクア研のURL
https://blog.rogiken.org/blog/tag/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%A2%E7%A0%94/

ドルトン東京学園
https://www.daltontokyo.ed.jp/

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